私は大阪の大学に通っているとき、女子学生会館に住んできた。その女子学生会館は管理人がいつもいて食事付きだったので、非常に安心して学生生活を送ることができた。もし、自分で食事を作っていたら大変だったと思う。食事の中で一番好きだったのは、管理人の奥さんが作ってくれるお好み焼きだった。奥さんは生まれも育ちも大阪の人で、お好み焼きを作るのが非常に上手であった。普通に焼くだけではなく蓋をしてお好み焼きを焼くので、ふっくらと焼けてものすごくおいしいのである。
本当の事を言うと、私は女子学生会館に住むまでお好み焼きがあまり好きではなかった。あまり食べる機会もなかったし、わざわざ食べようとまで思わなかったのである。しかし、奥さんのお好み焼きを食べてから、好きな食べ物は何ですかと聞かれるとお好み焼きと答えるようになった。それぐらい奥さんのお好み焼きはおいしくて、またかかっているソースも絶品だった。そのソースは奥さんの実家の近所の小さな工場で作られている、果物や野菜がたっぷり入ったソースであった。
そのソースをお好み焼きの上にかけて、青のりを少しだけのせて食べるのが私の食べ方だった。お好み焼きのおかわりをする人はあまりいないと思うが、私はお好み焼きが女子学生会館の夕食に出された日は必ずおかわりしていた。かぜをひいて寝込んだときも、お好み焼きだけは頑張っておかわりした。おかげでかぜも次の日には治った。奥さんがお好み焼きの生地の中にしょうがやネギやにんにくなど、体によさそうなものをたっぷり入れてくれたのである。私は本当に嬉しくて、お好み焼きを食べながら泣いていた。